●20000110 安物パソコン調達

 1999年は、日々ソフト開発とテストに明け暮れたが、2000年でもその状況は変わりそうにない。

最近は、取り扱う製品が増えたことにより、テストマシンが不足気味となっている。

経費削減という向かい風が吹く中、少ない予算でも実務で使えるマシンは調達できるのであろうか?

なんとか安くパーツを調達して組み上げたマシンでも仕事には使えるというお話を紹介しよう。


【どんなマシンが欲しいのか】

下記要件を満たし、テスト用としてSQLサーバが動けば良い。

・主記憶128MB

・ビデオ:3D不要。(= 一番安いモノ)

・CD-ROM不要(手持ちのドライブあり)

・HDD不要(手持ちのドライブあり)

・CPUは速くなくてもよい

・サウンド不要

・LANは100Mbps

・ケース:ATXフォーム(使い回しが出来ないとダメ)

こういう仕様は直販メーカに注文すれば出来るかもしれないが、どうだろう。
(儲けは殆ど無いかも)

CPU/マザーでかなり悩んだが、会社のマシンのCPUはAMDが多く、

使い回し・補修が出来ることから、ソケット7仕様とすることに決めた。

一時、ABITのBP6を使ってデュアロン案も考えたが、
マルチスレッドのアプリケーション稼働率が多くないだろうという読みから、今回は見送った。

 

【いくらで買った?】

事前に価格調査を済ませ、アキバに行き、買い物メモを店の兄ちゃんに見せ、

『一番安いものください。予算は6万以下。』と伝え、しばらく待つ。

自分でパーツを選ぶのが面倒なので店に任せる。

そして買ったモノがこれ。

品名 メーカ スペック・備考 価格(税抜)
ケース ? ATX,外形オバQ型 4,980
CPU AMD リテール500MHz fan付 12,500
DIMM ? 128MB PC100 CL=2 15,480
M/B IWill XA100Plus 9,500
VGA DIAMOND バルクRagePro 8MB 4,980
FDD ミツミ 2 Mode 2,580
キーボード ? 109Keys 1,680
マウス ? 2Buttons 680
LAN メルコ 10/100Mbps 1,980

合計(税抜)

54,360

CPUが500MHzしか店に置いてなかった為、少し高くツいたが、

400MHzのバルク品だと上記合計額より7000円安く済んでいただろう。

ビデオカードは古いものならばもっと安いものがあるかも知れない。

しかし、これでも税込で6万未満である。

 

【高MHzのCPU大好き】

経理担当の女性が、私が500MHzのCPUを買ったと聞いて食指が動いたのか自分のマシン(K6-2 400MHz)にその新しいCPUを載せ替えて欲しいという。

彼女のようにちょっとPCを分かってきたかなというユーザがこういった数値に惑わされやすい。

クロック比で1.25倍・・・体感出来るとしてもほんの少しだが、パソコンたるモノCPUだけじゃなくメモリ、
HDDなどのI/O装置もある。それら補機類のスピードも上がらないとパフォーマンスは劇的に変わらないものなのだ。

この話、自動車も同じコト。エンジン出力だけ上げても速い車にはならないってことだ。

彼女に『あまり変わらないと思うが』と忠告したのだが、強い希望でトレードしてやることにした。

彼女がPCのそばを離れているその時間を利用して実際に付けて差し上げた。

戻ってきてPCを使っているときに速くなったかと聞いてみたが、あんまし変わらないとのこと。

そりゃそうだ。これで彼女もクロック数値について少し学習したようだ。

ちなみに4ヶ月ほど前に彼女のPCのHDDを交換した。

IBMのDPTA-351500というGMRヘッド搭載の高密度タイプだ。

同じ回転数でも高密度になれば転送速度は速くなる。

交換前のHDDの順読みだし速度は9MB/S、交換後は19MB/Sと倍以上になったが、

その時彼女に感想を聞いてみたところ、結構速くなったとのコメントが得られた。

彼女のPC利用は、経理ソフト、Excel、OutLookの起動と終了が主である。

つまり、HDDのI/Oを主に利用しているのでHDDを速くすれば良いのである。

RAID0にでもしてやったら速すぎて目が回っちゃうかな?

パソコンたるモノ、使用目的に合ったモノを調達し、それを適切に使用するのが賢いやり方。

この話、自動車も同じコト。舗装路しか走らないのにクロカン四駆を買い、そのトラックもどきの足周りで高速を150km/h以上で飛ばすのは危険だし、重い車重は環境にも良くない。

 

【もう一回トレード】

こうして手持ちには400MHzのCPUがあるのだが、こうなったらもう一つトレードしてやろうということで、開発機(K6-2 333MHz)のCPUと交換することとした。

開発機はコンパイル作業を多く行うため、少しでもCPUは速いほうがよい。

まあ、あまり大した変化は無いが、少しでも待ち時間を減らすことが出来れば良い。

 

【組立開始】

少し回り道をしたが組立開始だ。

上記表のパーツと、手持ちのHDD(Seagate ST39140A)、CD-ROM(中道 MJ-5.16)を

ケースに放り込むこと小1時間、ちょっとした作業は終わった。

組立は簡単で、速い人だと30分もあればできるかな?

問題はそのマシンが動くかどうかだ。

 

【メモリ不良説】

『さっさと組んで仕事仕事』 と意気込みながら、OSをインストールするべくスイッチを入れてみると、

メモリテストで固まってしまう。500KBをカウントしたところで表示は止まったままだ。

他のマシンのDIMMを拝借して試してみると、ブートまで行く。

『メモリがダメってことか』

このメモリが本当にダメかどうかを確認するため、別のSlot1のM/Bに問題のメモリを装着し、電源を入れる。・・・うまく動く。

反対にそのSlot1のM/Bに装着されてたメモリ(128MB 100MHz)を新しいマシンに入れてみたところ、問題なく動いた。

チップセットの微妙なアクセスシーケンスの違いや、RAMの信号タイミングなどの違いにより、

使える/使えない組み合わせが出てくるのでは無いだろうか?

この問題は相性問題として簡単に片づけられてしまうが、規格値に完全に準拠していない、あるいは許容値のばらつきが問題の原因だったりするらしい。

 

【完成】

WindowsNTとSQLサーバのインストールは簡単である。

ネットワークの設定とデータベースの構築を済ませ、晴れて『使える』パソコンに育った。

テストで使用するサーバという用途の為、別段速くなくても良く、安定して稼働している。

別段速い訳ではないが、裏方仕事を十分こなしてくれるパフォーマンスを持っている。

 

今回購入した1680円の安物キーボードだが、思いの外キータッチの印象が良かった。

普段IBMのB01を使っているのだが、ある程度の耐久性があるならば、このキーボードでも十分と感じた。

 

今回はローエンドに徹してみたが、今年はCPUクロックが1GHzを超える年であるため、

是非GHzCPUをゲットしてクロックアップ遊びをして見たいものだ。

オーディーへのMail

ホーム