●20000305 パンを作る

OdMご覧の方は料理は得意でしょうか?私は独身生活が長かったので不味くない料理は作れます。
OdM初のC級フードテク記事はパンの製作記事をご紹介します。


【なぜパン?】

年中忙しいオーディーだが、たまには家族サービスってのも必要だ。
100円も出せばすぐ入手できるパンだが、実際に自分の手で作ってみると結構大変だという。
そこでパンを作ってカミさんと8ヶ月になるチビにご馳走することにした。

オーディーはパンの作り方は知らないため、レシピが必要になるわけだ。
(正確には以前何度か作ったのだがすっかり忘れてしまっていた)

そのレシピは、ロハで手に入ったというか、書棚で眠っているやつを使わせていただいた。
それは電子レンジの付録の料理本である。

今回はパン製作の道具として電子レンジを使って調理する。

電子レンジには、発酵機能がついている。といっても庫内を30-40℃位に保温するだけの機能である。
今回はパンを作るために発酵機能を使うのだが、
パンの他にはヨーグルトとか、長時間なら納豆もイケるかもしれない。


【工程説明】

今回製作するのはバターロールである。

計量さえ正確にやれば、初めてでもまず失敗なくできる。

# 工程名 目安時間(min.) 説明
1 材料準備 10 道具は身近にあるものを利用。
食材を準備し、正確に計量する。
2 練り込み 30 生地をひたすら練り、叩く。意外に楽しい作業。
3 一次発酵 60 暖かいオーブンレンジ庫内で少し膨らます。
4 ベンチタイム 10 ガス抜きの後、生地を休ませる。
5 成型 20 粘土細工の要領。カミさんが奇妙な形に...
6 二次発酵 30 水分を補給し、更にオーブンレンジ庫内で膨らます。
7 焼き上げ 15 この段階でもう少し膨らむ。
8 試食 10 うまいか否かを評価。


【実践】

まずは手をしっかり洗おう。
前日に車やバイクのメンテなどして爪の先が黒くなっているようではダメダメだ。
生地を練ると爪の汚れは落ちる。その代わりに汚れが生地に練りこまれるぞ。

1.材料準備

1-1 準備

・計測機器:電子秤、小さじ、計量カップ
・工具:汁椀などの液体の入れ物少々、まな板、すりこぎ(麺棒の代わり)、ボール、ふるい、スプーン、耐熱クッキングシート、霧吹き
・部材:
 強力小麦粉・・・・・・・・130グラム
 活性型ドライイースト・・・  2グラム
 塩・・・・・・・・・・・・小さじ1/3
 砂糖・・・・・・・・・・・ 10グラム
 牛乳・・・・・・・・・・・ 70cc
 卵・・・・・・・・・・・・1/2個
 チューブでバター・・・・・ 少々(20グラム位)

ドリール(焼色つけるためのタレ)
 卵・・・・・・・・・・・・1/2個
 塩・・・・・・・・・・・・小さじ1/4

1-2 粉の準備


・ボールに強力小麦粉をふるいにかけて入れ、活性型ドライイースト、塩、砂糖も一緒に入れる。
・スプーンでかき混ぜておく。
1-3 液体の準備


・1-3-1 右側の椀(練り用):牛乳に全卵1/2個を入れ、かき混ぜる。
・1-3-2 左側の椀(ドリール用):全卵1/2個に塩を小さじ1/4入れ、かき混ぜる。

2.練りこみ


・上記1-2の粉に1-3-1を少しずつぶち込む。


・最初から手でこねると手が大変なことになるぞ。スプーンで細かい団子状態になるまで混ぜる。


・手でこねる。これでも結構手にまとわりついてイヤな気分だ。


・チューブでバターを少しずつ入れ、またこねる。チューブでバターがない場合は普通の溶かしバターでもよい。
 バターを入れたときは、ぬるぬると滑るので「本当に練りこまれるのか」という不安がよぎるが、それでもひたすらこねつづける。すると次第にまとまってくる。


・こねる。こねる。こねる。こねる。ひたすらこねる。時々引っ張って叩きつけること200回以上!
 この作業が一番大変。料理が好きな?うちのカミさんでもパン作りとパスタ作りだけは絶対にやりたくないという。力仕事だもんね。


・平板状に引っ張って薄く膜のようになればOKとレシピに書いてあったが、そこまではならなかった。
 まあ、とにかくこね続けること30分ぐらいでOKではないだろうか?

3.一次発酵


・これが練りあがった状態。まん丸に成型し、別のボールにバターを薄く塗って移し変える。
・ボールにラップをかけ、電子レンジを発酵モードにセットし、タイマは1時間だ。
 !DANGER! 電子レンジの動作モードは必ず発酵モードにすること



・発酵が終了すると2倍ぐらいに膨張する。
・次に、発酵が正常か否かをテストする必要がある。
 指先でちょいと押してみよう。
  (1)くぼみがそのまま残ればOK。
  (2)くぼみが戻るようだと発酵不足。→更に発酵させる。
  (3)生地全体がしぼむようだと発酵させすぎ→今回はあきらめよう。次回から発酵時間を短めに。
・次にガス抜きを行う。ガス抜きとはこの状態の生地を手で軽く押しつぶすことだ。
 適当にしぼませよう。あまりいじりすぎると弾力がなくなるらしい。

4.ベンチタイム


・ラップをかけて10分休ませる。パン生地にも休息が必要なのか?

5.成型

この工程からカミさんがプロジェクトに参加してきた。

・左側:カミさん:なにやら得体の知れないものを作ってるぞ。
・右側:オーディー:コンベンショナルなバターロールを作っているところ。
     麺棒(ウチは麺棒がないのですりこぎ)でクサビ型に薄く延ばし、太いほうを内側にして巻く。


・成型終了。左上2点はオーディーの作品で右下2点はカミさんの作品。
・右下2点のカミさんが作った作品については詳細に説明する必要がある。
 (1) 餃子みたいなやつ(下)
  本人はピロシキ風パンと言っているがここでは餃子と記述する。
  内部に好物のチョコペーストを大量に仕込んであり得意気だった。(ダイジョーブなのか?)
 (2) 人間の顔みたいなやつ(右)
  ウチのチビ(愛称ユーちん)の顔らしい。(目玉と口は飛び出ていないんだけど)

6.二次発酵

作業は大詰めを迎えた。再度、成型後のパン生地を膨らませる。これが二次発酵。


・電子レンジのオーブン皿に耐熱クッキングシートを敷く。
・パンを適当な間隔で並べる。
・霧吹きでパン生地表面と、電子レンジ庫内に水分をたっぷりと与える。
・電子レンジを発酵モードにセットし、タイマは30分。
 !DANGER! 電子レンジの動作モードは必ず発酵モードにすること


・これが30分後。結構膨らんだぞー。
・ここで1-3-2のドリール(焼き色付けのタレ)をパン表面にまんべん無く塗りたくる。
・しかし、左の餃子らしきものはこの時点でパンパンに膨らんでいる。この中にはチョコペーストが充満しているのだがちょいと心配だ。

7.焼き上げ

・電子レンジの動作モードをオーブンにする。温度は180℃で、時間は15分。

どんな感じに出来上がるか?
・・・待つこと15分・・・

・出来たっ。なかなか良い焼き色だ。いや待てよ。

・ドラム缶から重油が・・いや、餃子パンから高温のチョコが流出した!
 熱せられたチョコペーストの水分が蒸発し内部が高圧となり、格納容器であるパンを破裂させ外部に噴出したのではと推測される。

8.試食

ナカナカウマソー
・一応皿に盛り付ける。一家3人で試食タイム。


・中を割ってみるとこんな感じ

・外はかりっとしていて、中はもちもちで、しかもアツアツ。店で売っているやつより10倍うまいぞ!

・気になる餃子パンだが、カミさんは高温のチョコペーストに悪戦苦闘していた。唇焼いてテーブルにチョコをこぼす始末。

こうして試食は10分で終了。製作には3時間30分ぐらいかかり、大変な作業ではあったのだが、楽しい時間を過ごすことが出来た。オトーサン、時間があったら是非挑戦してみてはいかがでしょう。

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