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● 20030606 白色LEDで遊んでみる 20030624 暫く走って調整
だいぶ暖かくなり、冬の間休止していた自転車通勤を始めた。 私のMTBは、デジタルスピードメータ搭載となかなか豪華な装備 ...と自慢したいところだが、実のところは、某外資系おもちゃ屋で買った安っちいチャリンコで、ダウンヒルでもやった日にゃぁ、もうひとたまりも無いような代物である。 しかしながら、通勤用途で舗装路を走る分には特に不満がないマシンで、実に良く働いてくれている。 このマイチャリンコに、もう少しカスタマイズをコイてみようかと考えた。
CAT-EYE社のハロゲンヘッドランプであるが、こいつをLEDにすると少しカッチョいいかも知れない。 という軽いノリでLED仕様に改造してみた。 ちなみに、CAT-EYE社ではLED式のヘッドランプをリリースしているので、別に私のようにアホな苦労をして改造しなくてもちゃんとした製品がしかも安価に入手可能であることを先にお断りしておく。
白色LEDは低消費電力と思われがちだが、実のところ、高輝度タイプのLEDでも発光効率はハロゲン球と同等らしい。 すなわち、同じ明るさを得ようとすると、発熱量はハロゲンと同じということとなり、現状では蛍光灯やメタハラに置き換えられるような省エネルギーデバイスとは言えない。 ただ、発光効率は徐徐に進歩し、蛍光灯並かそれ以上(80〜100lm/W)を持つLEDが近々お目見えするという話を耳にしたので、照明関係がLEDに置き換えられてしまう日も遠い未来ではなくなって来たようだ。 今回改造のターゲットとなる自転車用のヘッドランプには、
5ファイのLEDがちょうど16個入る。(フランジ部分を削って) 入手先はおなじみの秋月で20個で3200円なり。 チャンピオンLEDなるもので、光度は7.5〜10cdらしいのだが、データシートをダウンロードしてみるとそれには3.5cdと書いてあるのが少し気になる。 ここで一つ迷ったのがLEDの駆動方法で、Ni-MHの4.8Vからどうやって駆動するかを次の2種類考えた。 1)LED16個にそれぞれに電流制限抵抗を設け、並列接続する。 2)LED16個を全部直列接続し、これを昇圧電源で駆動する。(要DC-DCコンバータ回路) 本当は2)案の方が電力効率が良いのだが、手持ちの部品ではDC-DCコンバータ回路を収めるスペースが足りないため、1)案で行くこととなる。 電流制限抵抗であるが、これは75Ωとした。 抵抗値は計算上(4.8-3.6)/0.025(A)=48(Ω)で良いのだが、Ni-MHの充電直後は電圧がやや定格より高くなることと、ちょうど良いものが手元になかったのでこの抵抗値に決定した。そこいら辺はテキトーなのだが、過電流は発熱が激しくなるので安全方向にパラメタを設定!である。 消費電力を計算してみよう。 電源電圧が4.8V、電流制限抵抗値が75Ω、LEDのVfが3.6Vとなるので、 LEDに流れる電流は(4.8-3.6)/75=16mA (定格は25mA) 抵抗で消費される電力は0.016^2*75=0.0192W LEDで消費される電力は3.6*0.016=0.0576W となる。 装置全体では16個のLEDを使用するから、 全抵抗で消費される電力は0.0192W*16=0.3072W 全LEDで消費される電力は0.0576W*16=0.9216W 装置全体で消費される電力は0.3072W+0.9216W=1.2288W LEDへの電源供給の効率は0.9216W/1.2288W=0.75 =75% となり、効率は良くない。 まあ、DC-DCコンバータを使ったとしてもおおよそ85%位の効率だろうから、大差にはならないと考える。 ちなみに、純正状態のハロゲン仕様では4.8Vの2.4Wだ。 先の計算で算出したLEDの消費電力は0.9216Wであるからして、LEDの発光効率はハロゲンと同等らしいから、今回製作したLEDランプの明るさはハロゲンの約0.4倍になるのではないかと予想した。 要するに、半分よりちょいと少なくなる、と。
計算はこの辺にしておいて、ランプユニットを作ってみる。 使用したLEDは良く見かける砲弾型で、極端に狭指向角である。集光用リフレクタは不要となる。
上図のように、ヘッドランプ本体の改造は一切しないで、ハロゲンランプをリフレクタ毎交換してしまえば良いような形のユニットに仕上げた。 秋月の蛇の目基板を2階建て構造とし、1階部分は電池ケースとのコンタクト用ベース、2階部分はLED用の台座となる。 これがすっぽり透明カバーに収まる格好だ。
早速点けてみる。
写真では分かりにくいが、純正よりは暗い。感覚的に、半分程は暗くはない。 発光色は白色LEDらしく、青白い光。
まず最初に気づいたのが、暗いというよりも、ヤケに青っぽい。まるで青フィルタを被せた車用の暗〜いハロゲンバルブみたいな感じ。 これを改善するとなると、赤色LEDか電球色のLEDを少し混ぜるしかないだろう。 照射範囲は感覚的にハロゲン仕様の3倍程度ある。このせいで照度は低くなってしまったのだが、照射範囲が広くなったことは大変助かる。 それと、なぜか車からの視認性が良くなったようだ。 光モノのカスタマイズでナイトランが少し楽しくなり、まずまずの満足度...かな? もう少し白熱電球色に近づけば完璧ってところでしょうか。
何日か夜道を走ってみたのだが、対向車(自動車)からパッシングを喰らったことが何回かあった。 最初は『自転車にパッシングするなよなー』なんてブツクサ言いながら走っていたのだが、改めて自転車の前に立って見てみると、眩しい。 調べてみると、こんな感じで一部のLEDが上向きになっていた。
これをきちんと修正したところ、パッシングを浴びせられることがなくなり一安心。 青っぽさは相変わらずなのだが、余計なところに配光しなくなったおかげで明るさは純正ハロゲン並に改善した。 配光にはくれぐれも注意を。と。 白色LED 自転車 MTB ヘッドランプ 改造 LED仕様 LEDヘッドランプ |