YS125(フェザー125)のシートカバーが裂けてしまい、みっともない状態となってしまいました。
手頃なものが無いか社外品含めて調べてみるものの、中華バイクゆえ殆ど見当たらず、いくつか見つけたもののビックリする程の値段でした。
仕方がないので、自分でバイクのシートを縫おうと考えました。
ミシンはJUKIのHZL-T470でそこそこ古いですがこれが厚物でもガンガン縫えてしまうという、なかなかに良いマシンでシートカバー位の厚さは楽勝です。
ただ、ミシンのスタートや速度調整の操作が手元のみなので布生地を正確に送りつつボタン操作ボリューム操作しながら縫い進めるのは難しい。ならばフットコントローラの導入、となるわけで、当然当該機種にも販売されているのですが、これまたお高い。
コントローラの筐体裏にはYC-485と書かれてあり、この型番で調べてみるとジャノメやらアイシンやら様々なミシンに設定されているのです。
更に調べるとYC-485でも他のメーカーには流用できない、同メーカーでも使えなかったりするなど、同じ筐体、裏書きでも内部で仕様が違うようだということがわかり、その仕様さえ変えたら使えるのでは無いかと考えました。
YC-485、人気商品なのか中古でもあまり安くないのですが(特にJUKI)今回ジャノメ用のものをヤフオクで調達しました。ジャノメの何の機種用なのか説明が無かったからでしょうか?相場よりは安かったです。
まず、このコントローラをT470に差し込んで電源を投入すると、「ピピピ」と音が鳴りました。ペダルを動かしても反応は有りません。
同じYC-485を差しても他機種には使えないということを実証したわけです。しかしここまでは想定範囲内。
次に、事前調査で知っていたのですが、これの内部回路はマイクロスイッチと、いくつかの抵抗器、半固定抵抗、スライド抵抗から構成され、ミシンはその回路で作り出される端子間の抵抗に応じて制御される簡単な仕組みです。それはこのYC-485を使うミシンはどれも同じなのではないかと思いました。
しかしジャノメ用がJUKIで使えない。それはなぜかと考えた場合、抵抗値というパラペータが違うという可能性にあたりを付けてコントローラを改造することにしました。
電源投入時の「ピピピ」音ですが、これは警告音で、おそらくコントローラに何か物を置いて踏みっぱなしの状態で電源を投入したときの安全対策です。要するに踏まずしてコントローラの抵抗値がモーターが回転し始める抵抗値になっているものと推察できます。
次にコントローラが提示する抵抗値をテスターで簡単に測ってみました。
- 停止(踏まない状態):23kΩ
- 最スロー(マイクロスイッチが入った直後):11.5kΩ
- MAX(ベタ踏み):200Ω
バラして確認します。
停止状態ではR3が作用して高抵抗となり、踏むとマイクロスイッチがクローズしてR4をショートするような構成です。VR2はスロー調整です。
ここまで分かった時点でJUKIはどうするかとなると、何もしなくても踏んでいるような挙動なので、踏んでいないときの抵抗値を上げれば良いということになります。
色々試してみた結果ですが、R3を33kΩに置き換えると起動時の警告は鳴らず、マイクロスイッチが作用するまで踏むとミシンは動き出しました。ただし最スローではないためVR2を左に回して調整しました。
R3=33kΩ,VR2は適当に左に回しました
この状態で端子間の抵抗を測ると次の通りとなりました。
- 停止(踏まない状態):52kΩ
- 最スロー(マイクロスイッチが入った直後):15kΩ
- MAX(ベタ踏み):300Ω
これでうまく動くようになりましたが、さすがに工業用ミシンのサーボモーターのようなシャキシャキとした制御性ではなく、安全性重視のダルなレスポンスの設定です。かといって駄目という訳ではなく、例えばペダルをちょん踏みすると1針ずつ縫うことが出来るので問題ありません。
縫ったシートですが、1枚目で練習、2枚目の製作でそこそこ見栄えのするものとなりました。
恥ずかしくてお見せできませんが、自分が買うとしたら3000円程度の品質でしょうかね?そんなものでも裂けているよりは全然マシです。