リード125のフロントフォークを整備してみる

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リード125

このマシンについてはサスペンションが固く、乗り心地が悪いという評価をよく見かける。
個人的な考えだが、 バネレートが 高かったり、ダンピングが強すぎているという感じはなく、単にアンダーボーンフレームによるたわみ振動が原因なのでは無いかと感じる。その証拠に、60kmph以上のスピードでは快適だし、低い速度域でもシート後方に座ってピッチングを抑えるように荷重を掛けると乗り心地が良くなるからだ。
こういった振動を嫌う向きには現行PCXやNMAXが良いと思う。
しかし、フラットボードの使い勝手の良さは代えがたいものがある。

さて、購入後3年経過して1.8万キロ走破したが色々とメンテしなければならないところが出てきたということで、まずはフロントフォークから着手することにした。

リード125

ジャッキに掛け、タイヤなどを外す

フロントフォークを外す為、ジャッキで車体を持ち上げる。

板を当てがいリフトアップ

次にブレーキキャリパー、タイヤを外す。

フォークを外す

ちなみに上側のボルトが抜け止めになっている
抜けました

購入した部品たち

ここで今回購入した部品類は写真のとおりとなる。部品は左上からピストンリング、シールセット(オイルシール、ダストシール)、ガスケット、Oリング
各2組ずつ。
左下のフォークシリンダアダプタというシリンダーを押さえる為の特工が1つあるのだがインナーチューブに入らなかったのでこれは買ってはいけない。
よりにも使えないものが一番高価であったのが悔やむところだ。

フォークをばらす

まず、インナーチューブのキャップを外す。
キャップをグイっと押して下げながらCリングを外す。
Cリングは精密ドライバー(-)で外した。

この手のCリングを外す専用工具ってあるのか?

古いフォークオイルを捨てる。銀ラメが入ったようなドス黒い油でこれが結構臭かった。

フォーク下部のキャップボルトを外す。
これは6mmの六角ボルトで、かなりキツく締まっている。しかもこれを外すには例のフォークシリンダアダプタで反対側のピストンを押さえて共回りを抑える必要があるので厄介だ。
ここはもう仕方がないのでインパクトでサクッと緩めてしまった。
それでも共回りは抑える必要があるので9.5mmのエクステンションバーで押さえた。
整備書を見ていないので断言できないが、サスペンションのキャップボルトはインパクトで緩めることはNGだと思うのでこの方法は推奨しない。

次、ダストシールを外す。
これを外すにはスクレイパーのような先の鋭いものでこじる。
私の場合はマイナスドライバを削り鋭利に加工したもの(後述のマイナスドライバー改)を使った。

そしてバラしたインナーチューブは次の通り。
内部にピストンロッドがあり、ピストンには樹脂製のピストンリングが装着されている。
実は正立フォークの内部を見るのが初めてで、スクーターだからなのか?
シンプルなものだと感じた。
それでも中の油が汚れているところを見るとちゃんと働いているのだということが分かる。
ブリッジ側には錆が付着していたのでピカールで除去した。

インナーチューブを分解

アウターチューブのオイルシールを外す。
これは例のマイナスドライバー改でこじる。

オイルシールを外す

そして外したところが次の図。
スライドメタルが見える。こいつが摩耗していれば要交換となるがそれが見当たらかなったのでそのまま使用することにした。
それ以前にスライドメタルを出し入れするには特工が必要そうなので次回検討する。
そういえばインナーチューブの下側にスライドメタルが無いのだけど良いのだろうか???

スライドメタルは大丈夫そう

フォークを組み立てる

バラし終え、各部品をパーツクリーナーで洗浄した。
次に新しいオイルシールを打ち込む。
オイルシールに傷を付けないよう、インナーチューブにラップをかけ、まずはオイルシールをインナーチューブに通し、インナーチューブをアウターに差した状態で打ち込むのが普通だ。
今回、この細いインナーチューブに合う工具を持っていないのでいきなりシールを打ち込んだ。(これも非推奨)
まぁ、正立だし。漏れたらまたやり直せば良いかといういかにも自己責任素人整備的な考えである。
打ち込みのドライバーはTONEのソケット32mm。

何故かぴったし

ピストンロッドについている樹脂製のピストンリングは新しいものに交換し、フォークを組み立てる。
ここで例のキャップボルトを締めるのだが、共回り止めるのに9.5mmのエクステンションバーで押さえて手締めしようとしたが、共回りを押さえきれなかった。仕方がないのでこれもインパクトで2回ぐらい打撃を加えて締めると後は手締めでも充分なトルクが加わった。(これまた非推奨)

そしてフォークオイルを注入する。
純正は10番の57mm指定であるが、 今回は手持ちのヤマハG5で47mmの高さでセットする。柔いオイルを液面でカバーする的な考えだ。
オイルはスプリングを除いてシリンダーを一番下げた状態で行う。
最初はオイルを半分ぐらい入れて何回かストロークさせエア抜きを行いつつ、オイルを足し込むという操作を何回か行い、最後は5分位放置して気泡が上がってくるのを待つ。
そして最後に液面調整し、バネを入れてキャップを取り付ける。キャップにはOリングがあるので交換しておく。

余りもんのオイルを注入

そしてフォークが完成。

後はフォーク、タイヤ、キャリパーを元に戻して完了。

感想

作業完了後の走ってみた感想。
最初の数十メートルで印象で少し笑ってしまった位、微振動が感じられなくなるほどソフトになった。
乗り心地は当然良いのだが、とにかく初期動作がスムーズになって荒れた路面の通過が快適になったのだ。
猫足というのだろうか。そんな感じ。
次にガツンとフロントブレーキを掛け、沈み込みの具合について確認したが交換前とさほど変わらないようだ。
ただし奥側はしっかりコシが残されていて、フワフワ感も軽減され全体的にすごく良くなった。

まだまだ整備箇所があります

3年2万キロということで、忘れないうちに要整備箇所をメモしておこう。

・ブレーキフルード交換
・ドライブベルト交換
・クラッチアウター研磨
・その他駆動系点検
・エアクリーナーエレメント交換
・スロットルボディ点検
・プラグ点検

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