暫く乗らずに放置していたCR125であるが、フォークからオイルが漏れていた。
仕事の関係で何時乗れるか分からないが漏れたまま放置する訳にもいかず、オーバーホールすることになった。
今回は整備書があるためこれに則り作業する。
手順は次のとおり
フォークを外す
タイヤ、キャリパーを外せばフォークを固定しているボルト4本緩めれば外れる。モトクロッサーは簡単だ。
外したフォークは万力で固定している。
下図はフォークボルト(一番上のヤツ)を緩めて、アウターチューブと分離してアウターチューブのみ下げたところ。
フォークをバラす
フォークボルトとそれに繋がっているフォークダンパーのシャフトのロックナットを緩め、スプリング、ロックナット、スプリングカラー、スプリングガイド、Oリング、アジャスタロッド、ディスタンスカラーを外す。
次にオイルを捨てる。このとき、内部のダンパーユニット内にもオイルが入っているため、ストロークさせながら中のオイルを出す。
あまり乗っていなかったのでオイルは綺麗なままであった。
次にフォークダンパーを外すが、これは共回りを押さえる為の特工が必要で私の場合はステンパイプを加工したもの使っている。
その自作工具をフォークダンパーに当て押さえておき、センターボルト(一番底のヤツ)を6角レンチで回して緩め、センターボルトを外す。すると同時にフォークダンパーも外れる。
フォークダンパー自体は分解不可。
次はスライドパイプをアウターから外すため、ダストシールとストッパーリングを外し、 スライドパイプをガツンガツンと引っ張ってオイルシール毎抜く。
スライドブッシュの点検
スライドパイプが分離出来たらブッシュ類を点検する。
スライドブッシュとガイドブッシュは摩耗していたら交換する必要があるが、今回は摩耗痕が見当たらない為再利用する。
ダストシールとオイルシールの装填
スライドパイプにラップをかけ、ダストシールとオイルシールを装填する。
特にオイルシールのリップに傷が入るとすぐオイル漏れしてしまうので慎重に作業する。
次にバックアップリング、ガイドブッシュ、スライドブッシュの順に入れ、ブッシュ類にフォークオイルを塗布してからアウターチューブにスライドパイプを入れる。
オイルシールの打ち込み
オイルシールの打ち込みは特工が必要で専用のドライバーを使う。
ドライバーの摺動部にはグリースを塗り、ガツンガツンと打ち込む。
打ち込んだらストッパーリングを取り付け、ダストシールをはめ込む。
フォークの組み立て
フォークダンパーとセンターボルトを取り付ける。(8kgf-m)
センターボルトには2つのOリングとシーリングワッシャがあり、新品に交換する。
フォークを万力で固定し立てた状態にする。
この後はフォークダンパーのシャフトにカラー類、Oリングを取り付ける。(フォークオイルを塗布する)
ディスタンスカラーを入れる。
オイル注入、スプリング取り付け
オイルを半分位入れる。今回はヤマハG-5を用いた。
第1段階のエア抜きとして、フォークを伸ばした状態でアウターチューブの上を手のひらで塞ぐ。次にアウターチューブを縮め、(中の空気が圧縮)手のひらを外す。(オイルがボコボコと音を立てる)これを何回か繰り返す。
次にアウターチューブ、ピストンロッドを共に一番下に下げた状態で、ロッドの穴からオイルを入れる。
ロッドからオイルが吹き出したところでアジャスターロッドを入れ、所望のレベルの位置までオイルを入れる。
第2段階のエア抜きとして、アウターチューブとピストンロッドをそれぞれ10回ぐらい上下させ、5分程放置する。
次にオイルレベルの測定となる。
アウターチューブとピストンロッドをそれぞれ一番下に下げた状態にしておき、測定用ツール(シリンジと目盛棒のヤツ)でオイルレベルを調整する。
今回は110mmとした。
・標準:104mm 620cc
・最高:81mm 647cc
・最低:120mm 601cc
ピストンロッドはスプリングを入れた後吊り上げる必要があるため、ロックナットの下にステンワイヤー(0.5mmφの30cm長)を付けておく。
スプリングを入れ、ワイヤーを引っ張りピストンロッドを引き上げる。
ワイヤーを外してロックナットを手締めで一杯まで締める。
スプリングシート(輪っか)を入れ、ロックナットを押さえてフォークボルトを締める(2.9kgf-m)
フォークボルトをアウターチューブに取り付ける。
このときはトルクが掛からないので仮締めとする。
以上でフォークのOHは完了となる。
車体にフォークを取り付けた後、フォークボルトを本締めする (3kgf-m)
インプレしたいが次に走れる機会は何時になるか分からないところが悲しい...